IoT( Internet of Things:モノのインターネット)の普及によって、あらゆる場所の今を確認できるネットワークカメラの導入が一般化しています。
例えば、玄関や倉庫の出入口を監視する防犯カメラ、台風や豪雨の日に、河川の水位状況を確認するカメラ、外出先からペットの様子を見守るカメラなど、ネットワークカメラを使って実現できることの使い方は、様々です。
このように、リアルタイムの映像を遠く離れた場所からパソコンやスマートフォン、タブレットで確認できるネットワークカメラは、生産現場においても有効に活用できます。そこで本記事では、「ネットワークカメラが導入された生産現場」という視点から、ネットワークカメラで実現できることを3つのテーマに沿って解説します。
ネットワークカメラとは、カメラが設置された場所の 映像をインターネットに接続し、遠隔地からパソコンやスマートフォン、タブレットの画面上から確認や操作ができるカメラです。ネットワークカメラは、IPカメラ(*1)やクラウドカメラ(*2)と呼ばれることもあります。
*1 IPカメラ:パソコンやコピー機のように、カメラにIPアドレスが付いています。
*2 クラウドカメラ:インターネット上で視聴や録画・再生が自由に行えます。
ネットワークカメラを生産現場に導入するメリットは、次の3つがあります。
①:点検箇所の一元管理ができる
②:映像データが安全に保存可能
③:映像が直ぐに活用できる
これら3つのメリットについて解説します。
現場までの距離が遠く、なかなかたどり着けない点検箇所は、ネットワークカメラの映像でチェックができます。また、複数のネットワークカメラを現場に設置することで、確認したい箇所の一元管理も可能です。
ネットワークカメラの映像データは、インターネット上のセキュリティが整った環境で安全に保存されます。一度撮影したあらゆる映像データは、後から振り返りの資料として活用できます。
ネットワークカメラは、現場の今や過去を調べる場面にとても役に立ちます。なぜなら、現場で起きることや起きたあとの内容について、映像ですみやかに且つ正確に状況を把握できるからです。
ネットワークカメラは、あらゆる生産現場の今を安全に、そして安心して可視化できます。現場の可視化により、様々な視点から生産現場をとらえることが可能となります。現場の可視化された内容をフィードバックすることによって、より良い作業環境が構築できます。
ネットワークカメラを使った現場の可視化について、下記に2つ紹介します。
①:トラブルの再発防止に活用する
②:作業内容の統一化に役立つ
現場でトラブルが発生した際、その状況をネットワークカメラで撮影した映像により確認できます。そこから、的確に改善を行い、トラブルの再発防止に役立てることが可能となります。
例えば、現場で異常が起きやすいポイントに、ネットワークカメラを設置して可視化します。ネットワークカメラで撮影された映像は、異常が起きたときに貴重なデータとして活用できます。効果的な改善活動によって、生産停止の予防や、大型機器の故障を防ぐ対策が整います。
製造工程の作業内容を統一化させる場合に、ネットワークカメラを使った現場の可視化は役立ちます。なぜなら、映像を見て作業内容を合わせるのは、簡単且つ正確にできるからです。
例えば、ネットワークカメラを広い現場の高い場所に設置します。作業風景全体を上から見渡すことによって、人や設備などの作業状況を俯瞰的にとらえることができます。このように現場全体の作業映像は、作業内容や作業動線の統一化が簡単に可能となります。