【半導体基礎知識】ムーアの法則とは

突然ですが問題です。現在5GやAIといった最新技術も支えている半導体ですが、その中身は最新技術においてどれくらいのサイズ感で組み立てられているかご存知ですか?

―――正解は「数nm(ナノメートル)」。そんな半導体のサイズに関連する重要なキーワードとして挙げられるのが、「ムーアの法則」です。本記事ではムーアの法則の内容をご紹介すると共に、半導体がどのようにして現在の超小型となるまで発展してきたのかといった情報についてご紹介します。

基礎編-mooreslaw

目次

 

1. ムーアの法則とは?

ムーアの法則は、経験則的に導かれた「半導体のトランジスタの集積率が18ヶ月~24ヶ月で2倍になる」という法則です。1965年にアメリカの大手半導体メーカー インテル社の共同創業者の一人であるゴードン・ムーア氏によって発表されたことから、「ムーアの法則」と呼ばれています。

2. 半導体における微細化・高集積化の歴史

現在の半導体につながる世界初の「点接触型トランジスタ」は、アメリカのベル研究所によって1947年に発明されました。当時電流を制御するために使用されていたのは「真空管」と呼ばれる装置で、大きいうえに重く、電力消費量も大きいことから、小型化や省エネルギー化を図るために開発されたのがトランジスタです。

 これを皮切りに、半導体は性能向上と小型化を実現し、進化していくことになります。1960年代にはトランジスタなどの半導体素子を、微細加工によって1つのチップ上に集積させて小型化に成功したIC(集積回路)が誕生。そして今のパソコンにつながる電卓(電子式卓上計算機)が開発されたのもこの頃でした。

 その後1970年代から2000年代にかけてパソコンの誕生、一般への普及を経て半導体の進化はさらに加熱を迎えることに。さらに現在にいたっては、台湾のTSMC社が半導体回路線の幅を数nm(ナノメートル*)まで微細化することに成功しています。

* nm(ナノメートル):1mm(ミリメートル)の100万分の1。髪の毛の直径(0.08mm)よりもはるかに小さい値であることがわかります。


3. ムーアの法則の限界と将来性

このようにトランジスタが誕生して以来、70年以上にわたってムーアの法則の予測通りに半導体の微細化・小型化、そしてそれに伴う高性能化が実現しています。しかし「いくら技術が進歩したとしても、微細化・小型化には物理的な限界があるのではないか」という見方も存在します。技術的な課題や開発コストの課題からこれ以上の微細化に懸念を抱くこの見方は、「ムーアの法則の限界」と呼ばれています。

過去にはムーアの法則を継続させるための「国際半導体技術ロードマップ(ITRS)」が定められ、世界各国の関連企業が協力して半導体の微細化を進められてきました。しかし、ITRSは2016年で活動を終了。役割は「国際システムデバイス技術ロードマップ(IRDS)」に受け継がれました。その背景には、ムーアの法則に沿って従来方法のまま半導体を進化させることへの限界を見越して、新たな素材やデバイス構造の開発が求められていることが挙げられます。

しかしムーアの法則はまだ崩壊してしまったとはいえません。微細化とそれによる高集積化は続いており、世界中の半導体メーカーが半導体の進化を目指して回路線幅1nm以下への挑戦もおこなわれています。

まとめ>

本記事では、ムーアの法則についてご紹介をしました。70年以上にわたって技術の進歩を続けてきた半導体ですが、今後もデジタル化の発展に伴い需要の拡大が見込まれます。ムーアの法則に従って半導体はこれからも進化していくのか、それとも別の形で進化を遂げるのか、目が離せません。半導体に関する情報は、当社他コンテンツでも発信しています。ぜひご覧ください。

 

 

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