【半導体基礎知識】半導体は何がすごい?|役割や性質とわかりやすく解説

ニュースでよく耳にする「半導体」。しかし、「半導体の何がすごいのかはイマイチわかっていない…」という人も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、半導体のすごさについて、半導体がどのような働きを果たしているかも交えて紹介します。

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目次

1. 半導体は何がすごいのか

半導体は何がすごいのかと聞かれれば、「電気の利活用で不可欠な存在だから」といえるでしょう。実際に、今や電気と切り離せない私たちの現代生活の中には、想像以上に半導体が溢れています。

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たとえば、スマートフォンは半導体がなければ動作しません。CPUやメモリ、カメラのイメージセンサーまで、全てが半導体の恩恵を受けています。また、電子レンジ冷蔵庫といった身近な家電製品も例外ではありません。

これらは、「電気を通したり・通さなかったりする」という半導体の性質によって、様々な機能が成立しているのです。

2. 半導体の持つ2つの働き

半導体は、その性質を生かして様々な機能が成立していることをご紹介してきました。では次に、半導体はどのような働きをしているのかについてご紹介します。

半導体の働きは、下記のように2つに大別されます。

- 電流・電圧をコントロールする
- 人間のように考える

 

それぞれ、具体的に見ていきましょう。

 

2-1.電流・電圧をコントロールする

半導体の持つ働きの1つは、「電流や電圧をコントロールする」ことです。この働きをする半導体は特に、「アナログ半導体」と呼ばれています。

下記では、アナログ半導体の代表的な3つの役割を紹介します。

(1)スイッチ

1つ目の役割は、「スイッチ」です。半導体は、電圧差を利用して電流の流れを制御し、電気回路のオン・オフを切り替えられます。

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日常の中では、「ライトをつける・消す」動作をイメージすると理解しやすいかもしれません。この「必要に応じて電流を流す・止める」という動作は、アナログ半導体の働きの1つなのです。

(2)変換

2つ目は、「変換」の役割です。これは「アナログ信号→デジタル信号」、またはその逆に変換をおこなうことを指します。

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たとえばラジオ・テレビ・携帯電話は、アナログ信号として発信された音声や映像をデジタル信号として処理することにより、遠隔地で受信・再生することを可能としています。この時まさに、「アナログ信号→デジタル信号」「デジタル信号→アナログ信号」の変換が活躍しています。

 

(3)増幅

3つ目の役割には、電流や電圧の「増幅」が挙げられます。具体的には、電子機器で圧力や温度を感知する際の仕組みを例にご紹介します。

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圧力や温度は、センサーで感知し、デジタル信号に変換されることで計測されます。しかしデジタル信号が微弱な場合、ノイズなどの影響を受けて正確なデータを測れません。この際に、半導体がその信号を「増幅」させることで、正確なデータを取得できるようにしているのです。

ーーー以上の3点が、アナログ半導体の「電流・電圧をコントロールする」働きで実現する機能です。

 

2-2.人間のように考える

半導体の持つもう1つの働きは、人間の脳のように「考える」ことだといえるでしょう。

この役割を果たす半導体は「デジタル半導体」と呼ばれ、下記のように2つの重要な機能を持っています。

(1)計算

まずは、「計算」です。具体的には、人間の頭の中でおこなわれているような演算処理を、高速に実行できます。

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例としては、コンピューターの頭脳であるマイクロプロセッサが挙げられるでしょう。マイクロプロセッサの計算機能が、現代のデジタル機器における大量の計算処理を実行しているのです。

 

(2)記憶

次に、「記憶」です。具体的には、データを保存し、後で取り出せる機能を指します。

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具体的には、フラッシュメモリやRAMなど、コンピューターで用いられるメモリチップがあります。これらがデータの保管庫のような役割を果たし、コンピューターがデータを保持したまま作業を再開できるようになっているのです。

ーーーこれら2つの役割が、デジタル半導体の持つ「人間のように考える」機能です。



まとめ>

本記事では、「半導体は何がすごいのか」をテーマに、半導体の持つ働きも交えてご紹介しました。電気を通したり・通さなかったりする性質を生かして、現代社会における電気の利活用で不可欠な役割を果たす半導体。今後も、その需要は高まっていくことが予測されます。

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